スカジャンの誕生——横須賀、1945年
スカジャンの起源は、終戦直後の神奈川県横須賀市にある。 戦後、横須賀には米軍基地が置かれ、多くのアメリカ兵が駐留した。 彼らの一部が「お土産用のジャケット」として、地元の職人に発注したのがスカジャンの原型だ。
「スカ(横須賀)+ジャン(ジャンパー)」を語源とする説が有力で、 ベースはMA-1などのフライトジャケットのシルエット。そこに龍・虎・鷹・桜などのモチーフを刺繍で入れるスタイルが確立された。 アメリカ兵が本国への土産として持ち帰った結果、「ソウベニアジャケット(Souvenir Jacket)」とも呼ばれる。
スカジャンを彩る刺繍モチーフの意味
スカジャンに刺繍されるモチーフは、単なる装飾ではない。 それぞれに深い意味と歴史が込められている。
韓国への伝播——「수까쟌」として根付いた文化
スカジャンが韓国に伝わったのは、朝鮮戦争(1950〜1953年)後のことだ。 米軍の駐留とともにソウベニアジャケットの文化が韓国にも持ち込まれ、 ソウルや釜山の繁華街に刺繍工房が生まれた。
韓国語では「수까쟌(スカジャン)」と表記され、 特に1970〜80年代にかけて若者ファッションとして定着した。 日本の横須賀スタイルをベースにしながら、虎や鶴など朝鮮半島に縁の深いモチーフが多く採用されたことが、 韓国独自のスカジャン文化を生み出した。
「スカジャンは、日本でもなく、アメリカでもなく、その全部が混ざった服です。
だから今の時代にも、新鮮に映るんだと思う。」
年表:スカジャンの75年間の旅路
JacksonSquare Tokyo Shibuya の挑戦
National Point のオリジナルブランド「JacksonSquare Tokyo Shibuya」は、 この長い旅路を経てきたスカジャン文化を、2020年代の渋谷から再定義しようとするブランドだ。
横須賀の職人技術と韓国の刺繍文化、そして渋谷ストリートの現代的な感性。 その3つを掛け合わせることで生まれる、新世代のスカジャンを追求している。
特徴的なのは、バックボディに施す大判刺繍だ。 伝統的なドラゴン・タイガーモチーフをベースにしながら、現代的な配色と抽象化された線画で再解釈する。 「懐かしいのに新しい」という感覚——それが JacksonSquare の核心にある美意識だ。
スカジャンを選ぶということ
スカジャンは、ただのアウターではない。 それを着ることは、75年間に渡る文化的な旅路を身に纏うことだ。
横須賀の職人が針を刺した夜から、韓国の若者が街を闊歩した昭和の記憶、 そして今、渋谷のキャットストリートで新世代が着こなすその瞬間まで—— すべてが一着のスカジャンに凝縮されている。
「なぜこの服を着るのか」を問い続ける人にとって、スカジャンは最も答えが豊かな服のひとつだ。 その答えを、National Point は JacksonSquare を通じて届けていく。